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『神戸・続神戸』西東三鬼著 国際ホテルがあったトアロードを訪ねる

神戸の歴史

西東三鬼著『神戸・続神戸』は、戦時中に神戸のトアロードにあったホテルを舞台に様々な背景を持つ多国籍の人たちが行き交うストーリー。いまでも神戸を舞台にした小説として読まれ続けている作品の舞台を訪ねてみました。

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いまだに読まれ続ける西東三鬼の『神戸・続神戸』

西東三鬼は、1900年生まれの俳人。歯科医の傍ら俳句をはじめていて1942年に神戸に移住。そのときの体験から書かれた自伝的作品が『神戸・続神戸』です。

西東三鬼の『神戸・続神戸』表紙。

その『神戸・続神戸』は、個性が際立った多国籍の人たちがホテルを舞台に行き交う日々が綴られていて戦時中の時代背景が色濃く残る神戸での生活が描かれています。この小説は版を重ねて今でも読まれ続けている作品です。

劇団太陽族により舞台化された作品『神戸世界ホテル』のパンフレット。

『神戸・続神戸』は舞台化もされています。2021年に劇団太陽族により『神戸国際ホテル』という作品として上演されました。この舞台を観劇しましたが、小説を読んでイメージしていた風景や登場人物が目の前に現れたようで当時の雰囲気を疑似体験できたかのように感じられました。

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トアロードにあったホテル

小説に出てくるホテルがあったトアロード付近。

※小説では「トーアロード」と表記されていますが、記事中では現在使われている「トアロード」と表記します。

『神戸・続神戸』の舞台となるホテルは実際にあったホテルですが、神戸空襲により燃えてしまいます。そのホテルの跡地は現在の中央区下山手2丁目にある中華会館あたりになります。

ホテルが建っていた場所付近。

上の写真の右側の建物あたりがホテルだった場所。この付近で戦時中の暗い時代に小説に登場するいわくつきの登場人物たちがうごめいていたことを想像すると脳内でふと過去の時間にトリップしたような錯覚におちいりそう。

トアロードは現在も国際色が豊かな場所。

トアロードは居留地から神戸港につながる道だったこともあり、外国人相手のお店や外国の飲食店が昔から多くある場所。その雰囲気はいまでも留めています。

トアロードにある神戸トアロードホテル山楽。

小説に出てくるホテルとは場所も関係性もありませんが、現在トアロードには神戸トアロードホテル山楽があります。英国調の雰囲気を演出したこのホテルをモデルに『神戸・続神戸』の世界をイメージしてもみるのも楽しいかもしれません。

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