南京町の東側、海岸通り沿いに建つ「神戸華僑歴史博物館」は、1868年の開港以来、神戸で暮らしてきた華僑の歩みを伝える施設です。
華人の商いの記録や生活道具、ゆかりの人物の資料を通して、神戸と華僑の交流の歴史を知ることができます。
南京町から歩いて行ける静かな場所
博物館は、南京町の中心から徒歩およそ5分。観光地の喧騒を離れ、落ち着いた雰囲気の海岸通り沿いにあります。旧居留地の街並みが近くにあり、歴史散歩の途中で立ち寄るのにも適しています。
神戸港の開港とともに始まった華僑の歴史
神戸港が開かれた1868年、多くの中国人が貿易や商売のために神戸へ渡り、この地で生活の基盤を築きました。
博物館では、当時の商店や家庭で使われていた道具、書類、写真などが展示され、華僑の人々が地域にどのように関わってきたかを知ることができます。
孫文と梁啓超──革命家が残した筆跡
展示の中でも目を引くのが、孫文や梁啓超の直筆の書です。二人は中国の近代化を支えた人物として知られ、神戸でも支援者と交流を持っていました。
残された書には、当時の思想や信念が感じられます。小さな展示室の中に、近代アジアの動きが凝縮されています。
日本で活躍した華僑の人々
展示では、日本で活躍した華僑の著名人を紹介しています。歌手のテレサ・テン、映画俳優のブルース・リー、そしてプロ野球選手の王貞治などいずれも日本で誰もが知る人たち。それぞれが日本社会に多様な文化を伝え、華僑との交流に新しいかたちを残しました。
華やかな南京町から歩いてわずか5分。神戸という港町がいかに多文化を受け入れてきたかが、理解できる貴重な博物館です。
神戸華僑歴史博物館
神戸市中央区海岸通3丁目1-1 KCCビル2階
開館時間10:00-17:00
休館日毎週日・月・火、祝祭日、年末年始
入館料金一般300円・学生200円






