神戸を代表する海辺のスポット「メリケンパーク」。
観光で訪れる人も多い場所ですが、その名前に含まれる「メリケン」という言葉の由来まで知っている人は、意外と少ないかもしれません。
実はこの言葉、神戸港が開かれた時代の記憶を今に伝える、歴史の名残なのです。
「メリケン」という言葉はどこから来た?
神戸港が開港した明治元年(1868年)ごろ、現在のメリケンパーク周辺には船が発着する浮き桟橋が設けられていました。
その近くにはアメリカ領事館があり、当時この桟橋は「アメリカ桟橋」と呼ばれていたそうです。
やがて当時の日本で、「アメリカ」を指す言葉として「メリケン」という呼び方が広まり、「アメリカ桟橋」は「メリケン桟橋」、さらに「メリケン波止場」と呼ばれるようになりました。
この呼び名が、現在の「メリケンパーク」という名称へと受け継がれています。
碑とプレートが伝える、港町・神戸の記憶
メリケンパーク前には、こうした由来を記した「メリケン波止場」の碑が立っています。
碑には、浮き桟橋とアメリカ領事館の存在、そして「メリケン」という呼び名が定着していった経緯が簡潔にまとめられています。
何気なく通り過ぎてしまいがちな場所ですが、足を止めて読むことで、神戸が国際港として歩み始めた頃の姿が浮かび上がってきます。
現在の神戸メリケンビルにも残る領事館の記憶
この碑から通りを挟んだ場所に建つ神戸メリケンビルは、かつてアメリカ領事館が入っていた建物として知られています。
現在はオフィスビルとして利用されていますが、外壁には当時この地に領事館があったことを示すプレートが設置されており、歴史を静かに伝えています。
公園とビル、そして碑。それぞれが点在しながらも、神戸港の開港期という同じ時間を共有していることが分かります。
いつもの風景が少し違って見える
「メリケン」という言葉は、異国の文化や言葉が自然に街へ溶け込み、定着していった神戸らしさを象徴する存在です。
今も使われ続けるこの名前には、人と文化が行き交った港町の記憶が刻まれています。
メリケンパークを歩くときは、海や景色を楽しむだけでなく、
名前に込められた歴史や、近くに残る建物の背景にも、少しだけ目を向けてみてはいかがでしょうか。
いつもの風景が、より奥行きのあるものとして感じられるはずです。
神戸メリケンビル 場所・アクセス
所在地
神戸市中央区海岸通5丁目
(メリケンパーク東側・国道2号線沿い)
アクセス
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JR・阪神「元町駅」から徒歩約10分
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神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩約5分
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メリケンパークから徒歩すぐ(公園東端付近)





