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神戸異人館のシンボル 風見鶏の館みどころポイント

神戸の歴史

神戸異人館の中でもシンボル的な洋館といえばやはり風見鶏の館です。神戸にある洋館の中で唯一のレンガ張りの建築物です。その風見鶏の館のみどころのポイントの一部を紹介しましょう。

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1909年頃建てられた風見鶏の館

風見鶏の館が建てられた正確な年度の記録は残っていないとのこと。1909年(明治42年)には建っていた記録があることからこの頃に建てられたという記述がされるようです。この洋館を建てたのは

風見鶏の館の外観。

風見鶏の館と言われるのは、屋根の上に立てられた風見鶏があることから。この風見鶏は神戸観光のシンボルにもなっているものです。

ラテン語書かれた「Rhenania」レナニア

入り口には文字が書かれています。これはラテン語で「Rhenania」と書かれていてレナニアに呼びます。ドイツのライン地域という意味でトーマスの故郷でもある場所です。またこの「Rhenania」はトーマスが営んでいた貿易商の会社名でもありました。

半地下にも部屋がある。

風見鶏の館には半地下があります。この半地下にある部屋は、当時の使用人などの部屋としてあてがわれていたということです。
またこの辺りは当時沼地だったので、地面を掘ることなく半地下を持った建物を作ることができたというの理由もあるようです。

外から内部がみえやすくした壁。

風見鶏の館の周囲を囲った壁には隙間があります。これはデザインではなくて当時あえて外からも部屋の内部が見えやすいようにした工夫です。なぜ外から部屋の中が見える造りにしているのか、その理由のひとつはトーマス氏が経営していた貿易会社にあります。この家は自宅であると同時に貿易会社のショールームを兼ねていたものだった言われています。つまり外から家の中を見せることで新たな顧客を獲得する狙いがあったようです。

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現在も当時の様子を再現できるのは写真のおかげ

神戸で撮影したトーマス一家のポートレート写真。

こちらはトーマス一家の家族写真です。神戸で撮られた写真です。トーマス氏はこの洋館や家族の写真をたくさん残しています。特に洋館内は写真館に依頼して内装も整えて撮られた写真が残されています。これらの写真が残っているおかげで当時の内装などを復元できています。一般には建物だけ残っていても当時の資料や写真などは残されていないケースがほとんどということを考えればこれとても幸運なレアケースと言えるでしょう。

吊り輪がある当時の写真。

部屋の中に吊り輪が写る写真。これは当時ドイツでは健康のために吊り輪などの運動が推奨されていました。トーマス氏もそのドイツでの健康志向に影響されてこの部屋にも吊り輪を作ったのではないかと推測されています。

天井に残る吊り輪の留め具。

そしてこの部屋の天井を見上げると写真に写っていた吊り輪の留め具が今でも残っています。ここでトーマス氏が吊り輪を使って運動をしていたということなのでしょう。これも写真が残っていたから吊り輪の留め具ということが判明できるものです。

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今も残る当時の品々

トーマス氏が使っていたテーブルと椅子。

風見鶏の館には建設当時からそのまま館内に使われているものや当時の品々が残されています。上の写真はトーマス氏が実際に使用していたテーブルと椅子です。ただこれは日本から海外に売られていた製品と同じもの。ではなぜトーマス氏が使用していてそれが残っているのか、それは商品のサンプルとして部屋のなかに置いていたものが残っていたと考えられています。つまりショールームとしてお客さんにも見てもらうためのテーブルと椅子だったようです。

トーマス氏が使ったついたて。

こらちはトーマス氏が使ったついたて。こちらも商品サンプルとして使っていたものかもしれません。風見鶏の館に残るトーマス氏が使った品はこの二品のみです。

アールヌーボー調のドアの取っ手。

ガイドブックなど風見鶏の館を紹介されるときにたまに取り上げられるアールヌーボー調のドアノブのひとつがこちら。

ドアノブのメーカーの刻印。

さらによく見ると当時のドアノブのメーカーの刻印を今でも読むことができます。

建設当時マイナスネジを使ったレアな留め方。

建築に詳しい方にはこの蝶番のネジのレア度に感心がいくようです。現在はプラスのネジを使うのですが、この当時はマイナスのネジを使って留めているところがとても珍しいとのこと。

窓の鍵部分。

こちらは窓の鍵の部分。ここにもマイナスのネジが使われています。他にも探すといろいろあるかもしれません。

最古と思われるスイッチ。

こちらは館内にあるスイッチで最古とみられるもの。状態もきれいに保たれています。当時のスイッチ類はプラスチックケースに入れられて保護されています。

一番燃え方が激しい暖炉。

館内の暖炉で最もレンガの燃え方が激しいと思われるもの。つまりここで一番暖炉が使われていた可能性が高いと推測できます。この暖炉は薪ではなくコーク材を使うので奥行がない造りになっています。

当時のトーマス氏の表札。

当時使われていた表札と赤十字終身正社員証。日本語で書かれた表札を見ているとそんなに昔のことではなく、当時の様子を想像できそうなイメージがわいてくるかのようです。

風見鶏の館ですが、2023年10月1日から耐震改修工事に入ります。期間は現段階で約1年半ほどの予定。この期間は風見鶏の館への入館はできません。しかし、再開すれば改修前と同じ館内を見学できます。

風見鶏の館を訪問する際にここで紹介したポイントを含めて細かい箇所を探訪してみるのもおもしろいのではないでしょうか。

風見鶏の館
神戸市中央区北野町3-13-3
開館時間 9:00~18:00
大人500円
2館券(風見鶏の館・萌黄の館)650円
シティーループ1日乗車券持参の方450円
高校生以下無料
JR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」北へ徒歩15分

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