神戸港開港の影響で神戸には日本に初めて入ってきたものがたくさんあるが、コーヒー豆もそのひとつと言われている。神戸元町には当時の味を復刻したコーヒー豆が売られている。そのお店を訪ねてみた。
明治11年に日本で初めてコーヒー豆を売った店
神戸元町商店街を中ほどあたりに進むと新鮮なお茶の香りが漂ってくる場所がある。そこはお茶の葉を売るお店だが、実はコーヒー豆も扱っている。しかもそのお店が初めて日本にコーヒー豆を輸入したらしい。
そのお店は放香堂という。これまではお茶を専門に扱ったいたようなのだけど、リニューアルして店舗の半分はコーヒーを提供するお店になっていた。
お店に入ってみると、日本で最初にコーヒーの広告を出した新聞のレプリカが壁にかかっていた。明治11年12月26日付けの読売新聞の夕刊一面が飾られている。その他にもこの初めてコーヒーを扱ったことが中学生の社会の教科書にも掲載されていて、その教科書も置かれていた。
そして、明治に売られていたというコーヒー豆を復刻したというのが「麟太郎」と名付けられたコーヒーだ。これは勝海舟の通称が「勝 麟太郎」と呼ばれ、神戸開港に尽力した勝海舟にちなんで復刻版につけたネーミングとのこと。
この「麟太郎」、淹れたてをお店で味わってみた。明治期に石臼でコーヒー豆を挽いていたそうで、お店でも石臼で挽いた豆からコーヒーを淹れてくれる。
味はあっさりとしていながら渋みはよく伝わってきた。当時の人たちはこの味をどのように感じながら飲んでいたのだろうか。そんなことを想像しながら飲めるコーヒーも楽しい。
放香堂珈琲
兵庫県神戸市中央区元町通３－１０－６
