神戸港には様々な船が入港してきます。その中には海技を専攻する大学生が乗る実習船も含まれます。実習船の中でも特に帆船は人気があります。練習帆船は日本丸と海王丸があり、今回は海王丸の出港の様子を取材してきました。
神戸港入港通算100回目の海王丸
2023年8月に神戸港に入港した海王丸、じつは今回は神戸港への入港が通算100回を迎える記念入港でした。100回目を記念して入港時には放水アーチ、出港時には音楽隊による歓送演奏が実施されました。
それでは出港時の神戸港の様子を見ていきましょう。
出港1時間ほど前には海王丸を見送ろうとするギャラリーが大勢集まっていました。見送る人たちは写真を撮るひと、「安全な航海を」の国際信号旗を振る方などさまざまです。
タラップが収納される様子
出港の30分ほど前になるとタラップが収納され始めました。教官が指導はしていますが、この収納作業にあたるのも乗船している学生たちが主体です。
手動でクレーンを巻き上げてタラップを収納していきます。クレーンを素早く巻き上げる作業も見ているとなかなか大変そうです。そして微妙な角度を調整しながらタラップが収納されるともう誰もこの船に乗船はできません。いよいよ出港といった感じが伝わってきます。
神戸市消防音楽隊による歓送演奏
タラップも収納され出港時間が近づいて来ると100回入港を記念しての出港イベントの神戸市消防音楽隊による歓送演奏が始まりました。あいみょんの「愛の花」など最近のヒット曲が2曲演奏されてからの昭和28年に作られた伝統的に歌い続けられている「練習船の歌」の演奏では背筋が伸びる思いを受けました。
係留ロープの巻き上げ
そして海王丸を港に係留していたロープの巻き上げが始まりました。巻き上げの作業も学生たちが行います。
黄色いヘルメットを被った学生が順にロープを手に取ってデッキを走ります。手際よくロープを船に巻き上げていく姿は日ごろの訓練の成果でしょう。
出港~無事の航海を
出港時には特にセレモニーもなく海王丸が進水していきました。これまで演奏していた音楽隊も静かに海王丸の出港を見守ります。
海王丸はタグボートに誘導されて沖まで進んでいきます。
見送る人の中には国際信号旗のUWの組み合わせで「安全な航海を」の意味を表示した小旗などを振る方も見られます。
海王丸が神戸港を後にするときには汽笛を長音で3度鳴らして「お見送りありがとうございました」の感謝を伝えていきました。
神戸港には随時練習船が入港しています。通常の入出港ではイベントはありませんが、港で歓送迎することはできます。次の入港の予定を調べて神戸港で見学してみるのもおすすめです。