JR三ノ宮駅前に昭和8年頃に作られたと言われていて、A14と名付けられた地下道がありました。駅前開発にともない戦前から存在していたこの建造物も取り壊しされることに。そこで現存時代に撮影した写真で振り返ります。
「ガリバートンネル」と親しまれ戦前からあった地下道
このA14地下道は「ガリバートンネル」との愛称で親しまれていました。その理由はマンガ「ドラえもん」に登場するひみつ道具のガリバートンネルに形がそっくりだったことに由来します。ここでは「ガリバートンネル」と呼ぶことにします。
バス停の並びにあったガリバートンネル。確かにガリバートンネルの部分だけ周りの雰囲気とは時代が異なる建造物ということは一見してわかります。
ガリバートンネルは昭和8年頃に作られたと言われています。正確な記録はないそうですが、昭和8年に撮られた写真には写っているとのこと。戦争、水害、震災を乗り越えてきた建造物でした。
地下道からガリバートンネルに向かう
地下道からガリバートンネルに向かうルートを写真でたどってみます。mintに向かう地下道と枝分かれした地下道を進みます。
少し薄暗い地下道はすでに昭和の雰囲気が漂っています。
最初のカーブを過ぎるとあとはストレートに伸びる道。ここがガリバートンネルからつながる地下道です。
地下道を半分ほど行った左側に唐突に出入り口があります。「A14」と書かれてあり、ここがガリバートンネルの地下道の出入り口です。
地下道から見上げたガリバートンネルの内部です。ぎりぎり人が二人すれ違えることができるほどのスペースしかない狭い空間です。内部周囲は修復されているとはいえ、この空間は昭和8年から存在していました。時代をレイヤーにして重ねるようにイメージするとこの場所に様々な人たちが行き交ったことが脳裏に思い浮かぶようです。